音圧と音量(ベース用キャビネットの選定について)

今回はスピーカー(キャビ)の音量、音圧についてです。
主観全開記事ですので、そのおつもりで。

ベース用スピーカーキャビネットを購入するにあたり、
まずは当然ヘッドとのインピーダンスや許容入力のマッチングを確認しますが、
スピーカーのレイアウトを選定するにあたっては
「音量や音色」ではなく「求める音圧と許せる濁り」を優先して検討すべきだと考えています。


まず音量について。
音量を決めるのはスピーカーの数のように思われがちですが、
必ずしもスピーカーの数と音量は比例しません。

もちろんアンプの出力や物量を増し、
スピーカーを再生効率の高いものに替えれば、
ある程度までは比例関係に近い音量まではいきます。
ですが、それでもスピーカーの数を倍にしたら全体の音量が倍になるというわけではありません。
なぜならそれぞれのスピーカーからでる音どおしが互いの音をマスキング(ぶつかってかき消しあう)するからです。
音の濁りが増していき、音量感は上がらなくなってきます。

音量感に不足を感じる場合はスピーカーの交換が有効です。
スピーカーの音量はスピーカーの再生効率で決まります。
また強調しやすい音域は同じサイズのスピーカーでもメーカー、グレードによって異なります。
スピーカーを変更することで音量、強調音域を変更することで音量感(うるささ)のUPが可能です。

ele-phantでは以前、12インチ4発キャビをメインに使っていましたが
今はスピーカーをeminence DELTALITEⅡ 2512に変えた12インチ1発コンボです。
同スピーカーはいわゆるPA用のフルレンジスピーカーで、再生効率にすぐれ、再生音域も広いです。
スピーカーの数は4分の1になりましたが充分な音量が得られています。


音量に比べ、音圧はスピーカーの数で差が出やすいです。
音圧とは文字通り、音の押す圧力です。
スピーカーが多ければ空気を押す面積が増え、音圧を増しやすくなります。
小型スピーカーが一発のキャビは点で音を押し出しますが、
ampeg 810Eに代表されるような10インチを8発敷き詰めたキャビなどは、
面で音を押すこととなり、より多くの空気を震わせることになります。
圧は体で感じますので音量に比べ際限なく上げられます。
例えばローチューニングで大量のキャビをならすborisのライブに行くと音圧で体が揺れます。

余談ですが、周波数が低いということは音が遅いということで
その分、圧は高温よりも長く強く生まれます。
総じてベースアンプのほうがギターアンプよりも高出力なのはここに起因します。
低音を確実に押し出すためには高出力が必要なのです。

最近はスピーカー、PA機材の高性能化により、
搭載スピーカーが小型、少数でもそこそこの音圧がだせるキャビも増えましたが、
基本的にはスピーカーが多いほうが音圧には有利です。

スピーカーの数が多いと音量はともかく、音圧が得やすいならば多いほうが理想的かというとそうでもありません。
先述の通り、音が濁るのです。

同じ音を多数のスピーカーで同時に鳴らしても聞き手の耳に届くには僅かに時間差が生まれます。
ベースキャビネットだとバスレフも空いていたりするのでなおさらです。
さらに環境次第では反響音などリバーブ効果も生まれ、音はストレートに響かなくなります。
つまり音圧を得ようとしてスピーカーを増やすと音は濁りやすくなるのです。


以上の通り、音圧、濁りはキャビネットのスピーカー数や設計に支配されやすく、
プレイヤー側の調整では如何ともしがたいけれど、
音量はスピーカー交換やアンプの変更である程度の調整が、
音色はアンプや足元で調整が効きます。
なので、取り返しがつきにくい音圧や濁りを優先して選定すべきと考えているのです。

ちなみに俺が理想的と考えているスピーカーキャビネットは特大のスピーカー1発です。
空気を押す面積が広くて濁りも無い。
映画バックトゥザフューチャーの冒頭でそんなのでてきますね。
主人公がプラグインしてギターを弾くと音圧で吹っ飛びます。
あれが理想的です。
きっと大音量、高音圧でありながら
スピーカーが少ないことで濁りは最低限なのではないかと思ってます。

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